・国民年金の未納率が4割ってどういうこと?
「NHKまで、そんな発言をするのか?」というショックを受けたので、一言。
「国民年金の未納率が40%ほど」という解説者の言葉を受けて
「4割というと払ってない人が珍しくないということですね」
とアナウンサーが感想を述べて、次の話題に移りました。
ちょっとまって!
国民年金の未納率40%というと全国民の40%が払っていないような錯覚を覚えますが、全く違います。
40%は国民年金加入者における割合でしかないのです。
「国民年金は全国民が加入する制度だろ?」
と思われるかもしれませんし、まさにその通りなのですが、
日本の人口のかなりを占めるサラリーマンや公務員達はここで論じられている国民年金加入者には入っていません。
彼らは厚生年金という別の制度に入ることで国民年金にも加入していることになっているからです。
ニュースで盛んに報じられている国民年金の未納率40%とは、自営業者や無職、学生などの40%ということなのです。
わかりやすく、数字を。
日本で20歳以上の人は国民年金に強制加入です。
平成14年時点、全部で7047万人ほどの人たちが加入しています。
内訳は
サラリーマンや公務員の厚生年金の人が3685万人
サラリーマンの主婦たちが1125万人
自営業・無職・学生などが2237万人
ニュースで言っている国民年金加入者とはこの2237万人です。その中の848万人(38%)が未納と報じられてるのです。
つまり、本当の意味での国民年金加入者は7047万人なのですから、未納率は12%でしかありません。
しかも、848万人のうち435万人は、未納者ではなくて保険料免除者なのです。彼らは保険料を払っていませんが将来年金は貰えるのです(額は少ないですが)。
ですから本当の意味での未納者は413万人です。
これは本当の意味での加入者の6%弱でしかありません。
つまり、普通の日本人ならたいてい年金は貰えるのです。その額の多い少ないという議論はまったく別のベクトルなので、同時に議論してはいけません。
なのに、「未納率40%!」という報道が一人歩きをしてしまい、まるで電車の中に100人乗っていたら、その40人が保険料を払っていないかのような錯覚を起こさせているのです。