LLPとLLC | 社労士ノート[女性の就業環境を考える]

LLPとLLC

ずいぶん更新をさぼってしまいました、すみません。


近況ですが、最近は女性起業家さんたちとお話しする機会がずいぶん増えました。みなさんご自分のやりたいことや、得意なことで何かビジネスを始めてみようととてもパワーに溢れていて、話を聞いているとこちらまで元気が出てきます!


そんな彼女達からよく出てくるキーワードがLLPとLLC。


「会社を作るにあたり調べているLLPとLLCという言葉が必ず出てくるのですが、いまいち違いが分からない。」というご相談です。


それほど難しくないので、このブログにも簡単な説明を書いておきますね。



まず法律上は、以下のように表されます。

LLC=合同会社

LLP=有限責任事業組合


これだと、いまいち分かりづらいと思いますので、もう少し分かりやすい言葉で表現しましょう(直訳するだけですが)。


LLC=有限責任会社

LLP=有限責任組合

つまり

C=会社(カンパニー)
  と
P=組合(パートナーシップ)の違いだけ、ということです。

前半の
LL=有限という意味で同じとして考えてしまいましょう。



さて、まずはLLC(有限責任会社=合同会社)とは何か?


おおざっぱに、日本では、会社というものは以下のように分類されます。

【株式会社】
  
【持分会社】-【合名会社】
       -【合資会社】
       -【合同会社】

このように、LLC(合同会社)は、【持分会社】に分類されます。

【株式会社】では、お金をたくさん出して株式をたくさん持った人が経営に関して大きな口をはさめるというシステムで、もうけたお金の配分も、持っている株式の数によって決まります。お金を出せる人間が偉い人というわけです(オーバーに書いてます)。


ですが
【持分会社】では経営に関する意思の決定方法であったり、もうけたお金の配分方法を、会社の取り決めで自由に定めることが出来るのです。

どういうことかと言うと、

お金があるけど経営能力のないトマトさんと、お金はないけど経営能力抜群のピーマンさんが、一緒に会社を設立しようとする場合。

株式会社にしたら、お金を出した大株主のトマトさんにほとんどの利益が与えられてしまいます。ピーマンさんがかわいそうです。

ですが、持分会社にすれば会社の決まりに
『利益が出た場合、トマトさんとピーマンさんには同じ配分をする』という風に出来るのです。

このように、法人のルールを出資者(トマト・ピーマン)自身で決定できるシステムが、【持分会社】の特徴です。


で、LLC=合同会社は【持分会社】のひとつという事ですから、上のような特徴を持っているわけです。

では、同じ【持分会社】の【合名会社】【合資会社】との違いは?

【合名会社】=出資者全員が無限の責任を負うシステム。
【合資会社】=無限の責任を負う出資者と、有限責任の出資者がいるシステム
【合同会社】=出資者全員が有限責任のシステム。

無限の責任というのは、簡単に書くと、
『会社の借金を出資者個人が返さなくてはならない!』
というものです。大変ですね。

有限責任であれば、出資者個人の財産は関係ありませんから、会社が倒産して借金があっても、怖い人たちは自分名義の家を差し押さえには来れません(実際は色々ありますけどね・・・)。


というわけで長くなりましたが、新しく登場するLLC=合同会社というのは、

お金はあるが経営能力のないトマトさんとお金は無いが経営能力のあるピーマンさんとが一緒に会社を作るための制度。

そういうことです(笑)。設備(ビルや工場とか)はあるが、経営には興味の無いカボチャさんが加わることもありますね。

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